世界銀のブロックチェーン債 仮想通貨にとってはプラス?マイナス?

       
世界銀のブロックチェーン債 仮想通貨にとってはプラス?マイナス?
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ブロックチェーン債ニュースについて

世界銀行は8月、オーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)からブロックチェーンを使っての世界初の債券発行を開始する予定であると発表した。同プロジェクトについた「ボンダイ」(bondi、Blockchain Operated New Debt Instrument)の愛称は、世界的に有名なシドニーのボンダイビーチにちなんだものでもある。

 この債券は現時点で正式発行が始まっており、8月28日に締結される契約は7300万ドル規模で期間は2年。CBAは、同取引からの利回りは2.2%と述べている。

世界銀行のブロックチェーン債:世銀担当者にインタビュー、ブロックチェーン技術に期待

 

コインテレグラフ: このブロックチェーン債の実現には、どのくらいの期間を要したのか。そしてこのプラットフォーム開発に当たって、オーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)が選ばれたのはなぜか?

ポール・スネイス氏: プロジェクトを内部で検討し始めたのは17年8月。CBAとの正式合意に至ったのはその後18年1月だ。

 重要だったことが3つある。まず1つに、ブロックチェーンのフィンテックを育てる非常に前向きな環境があること。オーストラリア政府のあらゆるレイヤーが、ブロックチェーン技術に関して興味を示しているというのが我々の理解だ。政府の規制機関も、何が起こっているかに興味を示している。

世界銀行のブロックチェーン債:世銀担当者にインタビュー、ブロックチェーン技術に期待

※オーストラリアは、仮想通貨(暗号通貨・ブロックチェーン技術)に対して非常に前向きな国のうちの一つです。仮想通貨の取引やICOを一律に規制する国もありますが、オーストラリアの規制は前向きな規制です。

日本と同じように、政府が規制をかけていますが、その規制の目的はあくまで仮想通貨の技術を成長させ、その成長を国として取り入れる為です。

この債券取引の決済に、仮想トークンの使用を検討はした。しかし採用しないことに決めたのは、現金を使用することで投資家全員に慣れ親しんだ環境を作り、トランザクションのディリスクを図ったというのが主な理由だ。

(中略)

現在は銀行口座を持たない、または金融サービスに十分なアクセスを持たない地域を助けるのに、これらの技術は大いに役立つだろうと考えている。

世界銀行のブロックチェーン債:世銀担当者にインタビュー、ブロックチェーン技術に期待

ブロックチェーン債イコール仮想通貨では無い

ポイントは、トークンの使用の検討はしているのもも、今ある仮想通貨のトークンを使用していないという点です。ただし発展途上国等では日本のように金融サービスが十分で無く、また貨幣の価値自体も日本円のように安定していないため、仮想通貨の技術は役に立つだろうと述べています。

そいえば以前、アメリカでもブロックチェーン技術を用いた地方債の発行の動きがありましたね。

これらのニュースは、ブロックチェーン技術を用いる事が仮想通貨の発展に間接的に影響を与えたとしても、「現時点で発行されているトークンには殆ど影響が無い」事も、また事実です。

このニュースが出た後もビットコインを始めとした仮想通貨の価格に殆ど影響が出ていない事からもそれは確かめる事が出来ます。このような債券等の発行を目的とした仮想通貨は既に存在しているにも関わらず、です。(前回の記事で取り上げたPolymathにも若干関係がありますね)

例えば、日本でもメガバンクのMUFGとAkamaiがブロックチェーン技術を共同開発していますが、これらも既存の仮想通貨やトークンを使用する事は想定していないようです。(Akamaiはインターネット上最大の企業と呼ばれています。知名度は殆どありませんが。以下を参考)

仮想通貨にとってはプラス?マイナス?

結論から言えば将来的にはプラス。今ある仮想通貨にとってどうかは微妙と言えると思います。

例えばMUFGやAkamaiのような巨大企業と、今仮想通貨を開発しているベンチャー企業では、資金力に差があります。MUFGの純利益は約1兆円で、研究開発費にそのうちの何パーセントを割いているか不明ですが、ICOで調達する資金とはケタが違います。ですから後発の巨大企業の技術によって今ある仮想通貨のうちのいくつかは淘汰される可能性はあります。

また、これらの巨大企業が仮想通貨を取引所に上場させて取引出来るようにするかは疑問です。例えばMUFGコインは1コイン=1円でほぼ固定されると既に発表されています。

同様に、世界銀行がブロックチェーン債を発展させたとしても、取引所にトークンを上場させて一般人がトレードするような形は少し想像し辛いです。(今ある仮想通貨のどれかと提携するような形になれば、仮想通貨の市場も一気に盛り上がって最高の形となりますが、それは今回の発表にもあるようにすぐには難しそうです)

将来的にブロックチェーン技術が発展していく事は間違い無く、今回の世界銀行のブロックチェーン債もそれを後押しするでしょう。でも今仮想通貨をトレードしている人達に恩恵があるかと言えば微妙な所です。

仮想通貨には可能性がある

しかし、仮想通貨は産業革命だとも言われています。現在はApple、Amazon、Google、MicrosoftやFacebookなどのITの巨人達によってOSや検索エンジン、SNSなどのプラットフォームの大きなシェアを抑えています。

(日本ではYahooを使っている人も多いよ!と思う方も居るかもしれませんが、もう5年以上も前からYahoo JapanはGoogleの検索エンジンを使用しています。日本のガラケーも淘汰されGoogleとAppleが支配しましたね)

これから仮想通貨によって産業革命に似た事が起きるとすれば、AppleやAmazon等以上に成長を遂げる出てくるベンチャー企業(通貨)が出現する可能性は十分にあります。ビットコインはその筆頭ですし、イーサリアウムは現時点の価格でもICO価格から約2,000倍です。多くの草コインと呼ばれる仮想通貨が淘汰されている事も事実ですが、こういった爆発的な成長を遂げる仮想通貨がまだまだ今後出てくると思います。

BTC-FXに代表されるような短期トレードはともかく、数年スパンの長期視点でアルトコインやICOに投資をしている人は、そのような期待とブロックチェーン技術の将来性込みで投資をしているはずですから、今回のニュースは非常に良いニュースになりましたね。

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