1 こちらのICOデータ解析が興味深かったので長いですがかいつまんでみなさんに共有したいと思います😊今年Q2のデータになります。 pic.twitter.com/5CGnJprQ55
— ʀʏᴜ [ᴄʀʏᴘᴛᴏ ɪɴᴠᴇsᴛᴏʀ] (@Ryugunsun) 2018年8月8日
※Ryu氏は海外の資料をベースに解説しているため、金額の話が出てくる時は常にドルベースとなります。ドルベースですと日本人にとって分かりづらい場合もあると思いますので、適宜、円ベースでいくらになるかの注釈を入れます。また、一部英語表現がありますので、これも分かりにくいと思われる所は適宜和訳を入れます。
2 Q2でfund raiseしたのは827プロジェクト。合計調達額はなんと$8Bを超えています。Bitcoin Cashの時価総額に届きそうなくらいですね。Q1は約$3Bだったので2倍以上調達しています。 pic.twitter.com/Zs57CGchX4
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※fund raiseした : プロジェクトのためのお金を集める事。
$8B : 80億ドル。1ドル110円とすると、8800億円。
2018/8/20現在、Bitcoin Cashの時価総額は約94億ドル。
3 その一方で、半数のプロジェクトは$100,000以上の調達ができていません。
そしてICOをしたプロジェクトの内、取引所に上場したのはたった7%。少ないですね😑上場待ち銘柄がたくさんということです。 pic.twitter.com/NClJw6p2C1— ʀʏᴜ [ᴄʀʏᴘᴛᴏ ɪɴᴠᴇsᴛᴏʀ] (@Ryugunsun) 2018年8月8日
※$100,000 : 約1,100万円
4 目標とする調達額まで調達できなかったプロジェクト(= failed ICO)は55%。
まだプロダクトがなく、アイデアの段階で資金調達を行っていたプロジェクトは10.83%上昇 笑 開発を先にがんばれー🤣 笑 pic.twitter.com/DXWs4Ah6Pb— ʀʏᴜ [ᴄʀʏᴘᴛᴏ ɪɴᴠᴇsᴛᴏʀ] (@Ryugunsun) 2018年8月8日
5 一方で、ビジネスとしてすでに経営できているプロジェクト(working productがあるという意味でしょうか)は全体の15%。ただ、プロダクトがあるかどうかは資金調達が成功に終わるかどうかに影響はないようです。 pic.twitter.com/CY7tnu1sG5
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working productがある : そのままの意味ですが、製品があるという意味。この資料を作成したグループが定義しているので、正確にどの段階であるのかは不明です。ビジネスとして経営出来ているという意味なので、その製品自体で会社が成り立っている=収益が発生していると理解して良いと思います。
6 アイデアだけの段階で資金調達したプロジェクトの平均調達額は$4.5M。アイデアだけでそんな価値が、、、調達しすぎですねー🙄
全プロジェクトの46%はヨーロッパ発だったようですが、全資金調達額の64.67%は北米だったようです 笑 pic.twitter.com/dNwBmNs5aC— ʀʏᴜ [ᴄʀʏᴘᴛᴏ ɪɴᴠᴇsᴛᴏʀ] (@Ryugunsun) 2018年8月8日
※$4.5M : 約5億円
7 ここが気になる結果ですが、Q2のリターン(中央値)はなんとマイナス55% 笑 ちなみにQ1のリターンは約+50%。
半数のDAppプロジェクトは不成功ですが、プロトコルプロジェクトも20%は不成功のようです。(soft capに到達、または$500K以上の調達で成功という定義) pic.twitter.com/iQR5bO6U8I
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DApps : 分散型アプリケーションの事。何をDAppsと呼ぶかは資料によって異なる事がある。ビットコイン自体もDAppsであるとされる。ここでは、仮想通貨そのものではなく、ブロックチェーン上に実装されるゲーム等のアプリケーションやIDEXと呼ばれる分散型取引所などをイメージしておけば良いと思います。
soft capに到達 : ICOで資金を集める際、最低限到達すべき金額の事。運営側がICOを行う前に設定する。まともな運営ならば、もしICOを実施してソフトキャップに到達しなかった場合は集めた資金は全て投資家に返金する。ちなみに、上限に到達した場合は「hard capに到達した」という。
$500K : 5,500万円
8 ここからはfigureがあります。827プロジェクトの内、204プロジェクトが1000万円以上の調達。61プロジェクトのみが上場。
さらっと書かれていますが、ICOをした9%のプロジェクトはすでにSNSもウェブサイトも閉鎖しているようです🤣笑 pic.twitter.com/X1Yb9PTrcb
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figreがある : 図があるという意味。
SNSもウェブサイトも閉鎖している : 簡単に言えばICOで集めた金を持って夜逃げしたという意味です。過去には、ICO直後にウェブサイトが全て消去されて「penis」と書いて逃げた人達もいます。(参考サイト)
9 実際の調達額(縦軸)とプロジェクト数(横軸)です。
すでにビジネスとして動いている上場済みプロジェクトの現在の時価総額を考えると、そういった段階にないICO案件は$0.5-1Mでも集めすぎな気がしますが、そう感じるのは私だけでしょうか? pic.twitter.com/qV6KQwWkAu— ʀʏᴜ [ᴄʀʏᴘᴛᴏ ɪɴᴠᴇsᴛᴏʀ] (@Ryugunsun) 2018年8月8日
$0.5-1M : 約5,500万円~1億1000万円
10 Q2で調達額が多かったプロジェクトtop20です。調達額が多くなくてもICO割れしているので判断が難しいですが、これらの多くのプロジェクトもがんがん下がり得ると思います。復活することなく、、、 pic.twitter.com/3Kvp8tbNDD
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Q2 : 4月~6月の事。なおQ1は1月~3月、Q2は4月~6月、Q3は7月~8月、Q4は9月~12月の事。
日本の場合4月始まりの場合が多いので日本でQ2と言うと7月~9月の事を示す場合が多い。(会社の決算期による)
11 Q2に行われたトークンセールのトークン別カテゴリーですね。「ユーティリティトークン」「セキュリティトークン」の他に「・・・トークン」というのが複数あります。 pic.twitter.com/3xkkGJ4WRL
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12 Q1と比較すると、service tokenとsecurity tokenの割合は減り、utility tokenの割合は上がったようです。
そして平均のICO調達額はダントツでutility tokenが多いです。中央値も教えて欲しいですねー、、、 pic.twitter.com/Xg6aIQImVz
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※service token、security token、utility token : それぞれの定義は一つ前のツイートで書かれています。この分類はあまり重要では無さそうなので、ざっくり「サービス系」、「セキュリティ系」「ユーティリティ(便利)系」ぐらいの認識で良いと思います。
13 トークンの種類別で見ても、ICOが成功するか不成功になるかに大きな違いはなさそうです。(ユーティリティトークンの方が成功しやすい傾向にはありそうですが) pic.twitter.com/YhqiarB6F9
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14 衝撃的な結果ですが、半数以上がアイデアの段階で資金調達をしています 笑 2枚目の画像を見て頂くと分かりますが、$5Mくらいです 笑 pic.twitter.com/0iAd1ZXSl4
— ʀʏᴜ [ᴄʀʏᴘᴛᴏ ɪɴᴠᴇsᴛᴏʀ] (@Ryugunsun) 2018年8月8日
$5M : 約5.5億円
15 このスライドは重要でしょう。アイデアだけのプロジェクトが不成功に終わって当然かと思います。MVPまではないけど、codeはある、という段階も不成功に終わりやすいので避けた方がいいように思います。MVP以上のプロダクトがあると明らかに成功している割合は大きいですね! pic.twitter.com/VSiK7AkvGF
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MVP : Minimum Viable Product の略。日本語では最小限の製品と言います。とは言ってもイメージしづらいかと思いますので、Henrik Kniberg氏が作成したイラストを引用します。車を作ろうと思っても、イラストの上段のようには車は作れません。そこでMVPの考え方をしようと言う訳です。
Making sense of MVP (Minimum Viable Product) – and why I prefer Earliest Testable/Usable/Lovableより引用しました。
下段のイラスト、車を作る為にまずスケートボードを作りました。さあ皆さん投資してくださいなんて言われても笑っちゃいますよね。しかしMVP以下というのは「それすら無い段階でICOをしている」という事なのです。アイデアだけの(例えばホワイトペーパーしかない)段階のICOに参加するのがいかに無謀かが分かります。
16 プロジェクトも色々なカテゴリーに分けることができますが、こちらは月別の人気カテゴリーのfigureです。6月は「exchanges & wallets」カテゴリーに入るプロジェクトの数が増えていることが分かります。トレンドでしょうか? pic.twitter.com/LgKPQvIxPs
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17 平均ROIを見ると、その「exchanges & wallets」カテゴリーがずば抜けていますね 笑 これはいつまでも続かないと思います。が、どのカテゴリーのROIが良いかは要注目です。ただ、全部のプロジェクトが将来的には残らないので、上がったら売って次に行くのが得策と思っています。 pic.twitter.com/QADiBYsHcB
— ʀʏᴜ [ᴄʀʏᴘᴛᴏ ɪɴᴠᴇsᴛᴏʀ] (@Ryugunsun) 2018年8月8日
ROI : Return On Investmentの略。投資額に対してどれだけ利益を生み出せるかの比率。ROIが高いほど投資効率が高く、有利な投資という事です。
18 先にも述べましたが、調達額で見ると北米が全体の65%を占めています。116プロジェクトで$5Bほど調達しているので、1プロジェクトあたりの平均調達額は$43M程です。 pic.twitter.com/SjwK44QYsP
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$5B : 約5,500億円
$43M : 約47億円
19 上場したプロジェクトの時価総額変化率を見ています。こちらも大事なグラフですが、トークンロックなどもあるので解釈には要注意です。DAOstackもありますがデータは間違っていると思います 笑 おそらく別プロジェクトとの混同でしょうか。 pic.twitter.com/pNrIwqgjGS
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20 見にくいグラフです 笑 赤で囲った調達額が$10M〜20MのプロジェクトはほぼすべてICO割れしているというこでしょうか。逆に左側の調達額少ないプロジェクトはICO割れしている数が少ないと思います。 pic.twitter.com/1Hz0RnDreX
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21 ただ、先程のグラフはQ2が終わった7月8日時点の価格で計算されたデータです。こちらのグラフは上場して3日後のROIを見た価格です。明らかにICO割れしているプロジェクト数が減っており、ROIも良いです。上場時のpumpで一度売った方が良いということでしょう。 pic.twitter.com/9Tu3iCKJZU
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pump : 上場時に一気に価格が騰がってその後下がる事を指しています。また、不当に価格を操作する場合もpumpしたと言います。例えば、一気に価格を釣り上げてまだまだ価格が騰がると思った人達が飛びついた所で売り払って利益を出すような行為です。
22 DAppプロジェクトは半数以上がICO不成功。
ただ、いつかDAppが盛り上がる時がくると思っています。(その初動をつかむことは難しいと思いますが、、、) pic.twitter.com/GxVNgdY5G5— ʀʏᴜ [ᴄʀʏᴘᴛᴏ ɪɴᴠᴇsᴛᴏʀ] (@Ryugunsun) 2018年8月8日
23 ICO以外のsale情報(seedやprivate saleなど)を公開しているかプロジェクトの割合は約4割です。残りの6割は公開する程度には差はあると思います。全く何も公表しないプロジェクトは少ないのではないでしょうか。 pic.twitter.com/qmoOkhshtX
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private sale : ICOを実施する前に投資家にトークンを販売する事をプライベートセールと呼びます。ICOよりも安く購入出来る場合が多いです。
ICOは一時大流行しましたが、有力なトークンの場合はICOを実施する前の段階であるプライベートセールで売り切れる事も多々ありました。今現在、ICOを実施するという事は、プライベートセールで売り切れなかった不人気の通貨と捉える事も出来ます。(予めプライベートセールで販売する割合、ICOで販売する割合などを設定する事も多いので、ICOを行うから一律に不人気と考えるべきではありません)
しかし、このプライベートセールを逆手に取って「数少ない人間しかプライベートセールに参加出来なかったトークンを購入するチャンスです」などと言い、とんでも無い高値で販売するような人(つまり詐欺まがいの行為をしている)も居るので気を付けましょう。
参考リンク:AAA評価のオーキッドプロトコル($OCT)にあの泉忠司氏が参戦し100倍や1000倍どころじゃない「新利根川方式」でトークン販売 その無茶苦茶な手法に犬のお医者さんマジギレ
seed : プライベートセールと似たような物なのですが、private saleよりも前に購入する事をseedと呼びます。当然、プライベートセールよりも更に安価に購入出来ます。この段階で有力なトークンを入手出来れば、まず間違いなく高い利益が発生するでしょう。
しかし有力なトークンの場合個人では参加不可能だと考えた方が良いです。何かしらの強力なコネクションや、フォロワー数が非常に多いインフルエンサーであれば購入が可能なのかもしれません。
24 ICO時にopen-sourceとなっているか、closed-sourceになっているかでも資金調達が成功に終わるかどうかに影響するようです。もちろんopen-sourceの方が成功率は高いです(ROIとの関連性は不明) pic.twitter.com/PMtBzrBhyb
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open-source : プログラムのコードが公開されている事。オープンソース。ソースコードを確認する事で開発力を確認する事が出来るため、ICO参加の一つの判断材料となる。
closed-source : 上記とは逆に非公開にする事。何かしらの事情があって非公開にしているなら、その理由を確認して置いたほうが良いと思います。
25 プロジェクトが始まってどのくらいで資金調達をしているか、の割合です。
7割が1年以内です。Holochainは10年くらい前から動いていたような、、😌Quarkchainのように開発がとても早く、プロダクトができてからICOするプロジェクトもありますね。その場合は1年以内でもOKでしょう! pic.twitter.com/zcwWGPG0EH— ʀʏᴜ [ᴄʀʏᴘᴛᴏ ɪɴᴠᴇsᴛᴏʀ] (@Ryugunsun) 2018年8月8日
26 以上です!
小さい個人capのためにクイズ解いたりの手間を考えるとICOのうま味は個人的にないと思っています 笑 上場待ち案件が腐る程あるので、今は上場している銘柄を注目するようにしています😎— ʀʏᴜ [ᴄʀʏᴘᴛᴏ ɪɴᴠᴇsᴛᴏʀ] (@Ryugunsun) 2018年8月8日
小さい個人capのためにクイズ解いたり : プライベートセールなどに参加する際、その通貨の理解度を確認されたり、その通貨の認知度を向上するために出来る事を書かされたりする事があります。また身分証明を求められる事もあります。当然全て英語で書かなくてはなりません。それらをクリアしても「小さい個人cap」つまり購入出来る上限は0.5ETH分だったりします。
そこまでの労力を割いてまで数万円のトークンを手に入れても利益はわずかしか取れないので、今現在の状況でICOに参加するうまみが減っているという意味でしょう。
27 今回資料の一部しかみなさんに紹介していません。元の資料が欲しい方は私のTGチャンネルにリンクを貼っていますのでそちらでダウンロードしてください😊https://t.co/1MVLzwEKav
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